関東経済産業局が20日発表した8月の小売店販売動向によると、管内1都10県の百貨店販売額は前年同月比12.8%減の1441億円と、2カ月ぶりに前年を下回った。管内の首都圏、北関東、静岡県で新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が発令され、来客数が大きく減った。
緊急事態宣言の長期化により、個人消費全体の基調判断も従来の「持ち直しの動きで推移しているものの、弱い動きが見られる」から「横ばい傾向にある」に下方修正した。下方修正は2020年12月以来8カ月ぶり。
百貨店に加え、スーパーの販売額も前年同月比1.7%減の5627億円となった。新型コロナの影響による家庭向け食品の需要は依然高いものの、今年は天候不順のため、季節ものの衣料品などの売り上げが低調だった。コンビニエンスストアも天候の影響を受け、1.6%減の4524億円と6カ月ぶりに前年を下回った。
浜野幸一局長は先行きの経済動向について「足元では緊急事態宣言が解除され、飲食や観光にも客足は戻ってきた。明るい兆しは出てきているが、飲食業界などから感染再拡大を懸念する声も聞かれる」と述べた。