20日からまん延防止等重点措置の適用が決まった甲府市の飲食店からは、酒類提供の終日停止が決まったことに不安を訴える声が上がった。
県の臨時特別協力要請を受けて既に時短営業している甲府駅前のグリーン・ゾーン認証を受けている飲食店は、20日以降も時短を継続する。首都圏での感染者急増を受けて、東京や神奈川など県外の客から「お酒は飲めるか」と問い合わせる電話が毎日のようにかかってくるという。
それだけに酒類提供できないことに不安がないかと男性店長(44)に尋ねると、「うちは昼にサラリーマンがよく利用してくれていて、それに助けられている」と話し、「夜にお酒を出すことがメインの居酒屋は、もっと大変なのではないか」と他店を気遣った。最近では、店を利用した客から「午後8時以降もやっている店はないか」と聞かれるとも明かした。
甲府市中心部のエスニック料理店「スパイス」で働く女性は「去年からずっと飲食店は苦しい状況。みんな疲れてきている。店を続けられるようなしっかりとした援助をしてほしい」と話す。酒類提供の停止で「お酒なしで食事だけだと、お客さんはすぐ帰ってしまい、長居しない。そうなると店の営業は厳しい」と漏らす。【田中綾乃】