中央市下河東の永源寺で4日、恒例の「天白祭」が開かれた。疫病退散や子どもの健やかな成長を祈願する祭りで、渡辺繁樹住職が「お天白さん」として親しまれているほこらの前で祈祷し、地元消防団員が周辺の約40軒の家庭に札や菓子を配った。 寺によると、江戸時代に疫病が流行し多くの子どもが亡くなった際、「天白伊豫大権現」と名乗る白衣の老人が「疫病を地区から退散させ、日頃からの信仰に応えよう」と言い残すと、地域から疫病がなくなり、子どもたちが元気に育ったと伝わる。その後、住民はほこらに現れた白いキツネを天白伊豫大権現の化身と信じたという。60年以上前からは地域の子どもの健やかな成長を願い、子どもの名前を入れたちょうちんを飾り、祭りを開催してきた。 今年は新型コロナウイルス感染防止のため規模を縮小し、出店などはなかった。渡辺住職は「新型コロナが一日も早く収束してほしい」と話し、消防団員の土屋裕義さん(37)は「幼い頃から親しんできた祭りなので、どのような形でも受け継いでいきたい」と語った。
「天白祭」で疫病退散祈る 中央市の永源寺、お札や菓子配る (山梨日日新聞)