山梨県は24日、重症化リスクが低い無症状の感染者の一部を宿泊療養施設などから自宅療養に切り替える運用を始めた。本人や家族が了解し医師が可能と判断することなどが条件。一方、県は同日、同県富士河口湖町に設置した宿泊療養施設に医師が常駐する体制を整えた。山梨大学医学部が全面的に協力している。
県は当面、自宅療養を最大40人と想定し、対象者の選定を進めている。自宅療養者には血中の酸素飽和度を測る「パルスオキシメーター」を貸し出すほか、看護師による毎日の健康観察や24時間の相談対応体制などを整えた。長崎幸太郎知事は「安心して療養生活を続けてもらえるよう万全の目配りとフォローをしていく」と述べた。
同県はこれまで、自宅で療養する事態を回避することを目指してきた。しかし19日に判明した新規感染者が過去最多の112人に達し、23日までの新規感染者数（判明日ベース）も617人と過去最多になるなど感染者が急増。新型コロナウイルス向けの重症者向けを除く病床と宿泊療養施設の使用率が24日午前0時現在で84.3%に達している。県は医療提供体制を確保するために自宅療養もやむを得ないと判断した。
一方、これまで305床だったコロナ向け病床は24日までに62床増え、367床を確保したことも発表した。ワクチン接種については、妊婦とパートナーに対し、9月上旬から優先して接種できるよう、県からワクチンを優先的に配分するほか、山梨大学から職場接種の中で受験や就職活動を控える高校3年生への接種を受け入れるとの提案があったことを明らかにした。
また、小・中・高校について、県は9月12日までの間、分散登校やオンライン授業を導入し、修学旅行などは当面、延期するよう求めた。
