山梨県の大月駅―河口湖駅(26・6キロ)を走る富士急行線の運行会社が、4月から富士急行の旧社名の新会社に変わった。同線では、「思い出ギャラリートレイン」と称し、約100年前の創業時の列車や沿線風景の写真などを車内に飾り付けた特別列車を運行、「富士山に一番近い鉄道」をPRしている。
同線を運行してきた「富士急行株式会社」は環境変化に対応する機動性を持たせ、地域に密着した営業体制を構築するため2021年5月に分社化し、1926年の創立当時の社名の新会社「富士山麓(さんろく)電気鉄道株式会社」を設立。4月1日から新会社での運行が始まった。
「思い出ギャラリートレイン」は毎日4~5往復、6月末まで普通電車として運行している。1日にあった出発式では沿線の大月市や都留市、富士吉田市、富士河口湖町のマスコットキャラクターの着ぐるみが河口湖駅に集合。鉄道ファンの親子らが、鉄道イラストレーター「始発ちゃん」が作ったヘッドマークを付けた午後2時20分発の大月行きの普通列車を見送った。
同線では、レトロな雰囲気を味わえる硬券乗車券を下吉田駅で取り扱ったり、オリジナルグッズを販売したりするキャンペーンを実施している。問い合わせは富士山駅(0555・22・7133)。【小田切敏雄】