通学しながら家族の介護や世話をする子供「ヤングケアラー」をめぐり、山梨県は16日、県内の小学6年~高校3年生全員(5万2864人)を対象とした調査で、回答した4万101人のうち6・1%に当たる2437人が「世話をしている家族がいる」と回答したと明らかにした。小6は5・8%の368人で、17人に1人がヤングケアラーの可能性がある。幼い頃からケアに携わっている実態が浮かび上がった。
中学生は1517人(12人に1人)、高校生は552人(27人に1人)だった。ケアしている家族(複数回答)は全体で、きょうだい32%▽祖父母19・4%▽父母16・7%。小6は、きょうだいが40・2%。年齢が低いほど、きょうだいが対象の割合は高かった。
世話の頻度は、小中高いずれも「ほぼ毎日」が約3割。平日1日あたりのケア時間は「3時間未満」が約3割で最も多かったが、小6では「7時間以上」との回答も平日で4・9%、休日は7・1%あった。世話をすることの「きつさ」は、小6の51・9%が「感じていない」としたが、「身体的きつさ」があるとの回答も8・2%あった。
県は7~8月、学校を通じてインターネットと書面で調査を実施。回答率は小6が97・7%、中学生が91・5%、高校生が58・2%だった。政府は4月、中高生を対象にした初の全国調査で中2の5・7%が「世話をしている家族がいる」などとする結果を公表したが、小学生は対象外で、今年度、初めて調査する。【梅田啓祐】