山梨県は7日、新型コロナウイルス感染症の緊急対策を発表した。休業や時短営業に協力した事業者への経済再生策「やまなし食のグリーン・ゾーン応援キャンペーン事業」では、やまなしグリーン・ゾーン(GZ)認証店舗の利用促進のため、実質20%の割引を実施し、併せて、運転代行1回につき1千円の割引の助成も行う。
県の臨時特別協力要請や、まん延防止等重点措置による休業や時短営業で大きな負担を負った事業者のための需要喚起策だ。「経済安定化と反転攻勢にむけて手厚く予算を計上した」と県の財政担当者は語る。
新しい生活様式に向けた施策も打ち出した。外出自粛やイベント制限の影響を受けた県内のライブハウスが感染対策をした場所や屋外、オンラインなど新しい生活様式に対応した形でイベントを開催する際には補助金を支給する。
「ステイホーム」で増加しているDV被害者への支援も強化。無料法律相談や配偶者からの暴力被害の解決のための婚姻関係の解消に必要な調停や、訴訟を支援するために被害者側の弁護士費用を助成する。
新型コロナ対策以外では、家事や家族の介護などを日常的に行っている「ヤングケアラー」と呼ばれる児童や生徒への理解を進める講演会開催や動画作成、子どもたちの相談体制の強化も図る。志願者が減少している小学校教員の確保に県内の公立小に就職を希望する大学生の奨学金返還への補助金も設ける。
これらの施策を盛り込んだ総額187億円程度を想定した補正予算案を、21日に開会予定の9月の定例県議会に提案する。(三ツ木勝巳)