富士河口湖町の精進湖付近に大雨が降ると現れる幻の池「赤池」について、県富士山科学研究所は6日、「主に直近に降った雨で形成されている」との調査結果を発表した。赤池は精進湖と地下水脈でつながっているとされてきたが、定説が覆される可能性がある。
赤池が現れるのは精進湖の東側約1キロの谷あいで、普段はくぼんだ草地。大雨が降ると長円形の池ができる。同研究所によると、過去40年間で出現が報告されたのは7回のみという。
同研究所と山梨大、立正大(東京都)のチームは昨年7月、9年ぶりに出現した赤池の水を採取し、水分子の重さなどを分析。同時期に採取した精進湖の湖水とは特徴が異なることや、水が降雨に由来することを突き止めた。雨水はいったん付近の地下に浸透した後、2~3日でくぼんだ草地に集まるとみられるという。
同研究所の山本真也研究員は「富士山の不思議の一つを科学的に解明することができた。今後もデータの収集を続けていきたい」と話している。