山梨県は18日、新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」の適用を受けて、営業時間を短縮して営業する県内全域の飲食店などに対し、酒類の提供停止を要請すると発表した。重点措置の対象期間は20日から9月12日まで。
感染状況が「ステージ3」以上の18市町村を措置区域とし、休業を要請する。ただし、県独自の感染対策に関する認証制度「やまなしグリーン・ゾーン認証」を取得した施設は午後8時までの時短営業も選択できる。措置区域外の9町村については認証施設に時短営業を求め、認証施設以外は休業を求める。いずれも時短営業の際に酒類提供の停止を求める。
県は酒類提供について国と交渉していたが、長崎幸太郎知事は「政府の判断として、重点措置適用のスタート時点では全国一律の対応をする」との説明を受けたことを明らかにした。そのうえで「連日、新規感染数が過去最多を更新する県内の感染状況を踏まえ、政府の判断を尊重せざるを得ない」と述べた。
また、県は大規模商業施設や映画館、集会場などに午後7時までの時短を要請し、酒類提供の停止を求める。
一方、県はワクチンの接種を加速するため、新たに大規模接種センターを甲府駅北口の県立図書館に開設することも発表した。これまでも、同県富士吉田市内と甲府市のコンベンション施設「アイメッセ山梨」の2カ所に開設していた。
県内の感染者の発表数は17日が89人、18日が93人と連日、最多を更新している。18日までの1週間の累計も523人で過去最多となっている。県はこれまで県独自に休業要請や不要不急の外出自粛などの臨時特別協力要請を出してきたが、長崎知事は「明らかな効果が見られない状況で、医療提供体制の逼迫度合いは危機的な状況」とした。
県のシミュレーションによると、新規感染者が今後、1日80人で推移すると27日には入院できない患者が発生し、同90人で推移すると23日には入院できないケースが出る可能性があるという。17日時点の病床使用率は69.2%となっている。