政府は17日午前、新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言の対象地域に京都や兵庫、福岡などの7府県を追加する案を専門家に諮問した。発令中の東京や大阪など6都府県は8月末までの期限を延長する。宣言地域は合計13都府県となり、9月12日まで適用する。
宣言に準じた措置をとる「まん延防止等重点措置」は宮城、広島など10県を加える。新しく宣言地域になる7府県とともに移行する。
西村康稔経済財政・再生相が専門家で構成する基本的対処方針分科会に政府案を諮った。了承が得られれば17日午後に開く政府の対策本部で正式に決める。その後、菅義偉首相が記者会見して説明する。
宣言を出すのは茨城、栃木、群馬、静岡、京都、兵庫、福岡の7府県。いずれも重点措置から切り替わる。東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、沖縄の6都府県は継続する。
重点措置は宮城、山梨、富山、岐阜、三重、岡山、広島、香川、愛媛、鹿児島の10県に広げる。現在対象の北海道、福島、石川、愛知、滋賀、熊本とあわせて16道県に上る。
政府は百貨店やショッピングセンターなど大型商業施設に入場制限を要請する。
新型コロナに対応する特別措置法に基づき、都道府県知事の要請に応じなければ命令に切り替えることもできる。宣言地域では土日も要請できる。
飲食店は引き続き、営業時間を午後8時までに短縮するよう求め、酒類提供は宣言地域で一律停止する。
重点措置地域でも原則停止とする。一方で地域の感染が「下降傾向にある」と知事が判断すれば感染対策を徹底する条件で午後7時まで提供可能とする。
テレワークの徹底や不要不急の外出自粛も改めて呼びかける。
全国的に感染力が強いインド型(デルタ型)への置き換わりが進み、新規感染者数の増加に歯止めがかかっていない。東京では7月12日に4度目の宣言が始まり、延長するのは今回で2度目となる。
首相は16日、首相官邸で記者団に「ワクチン接種で感染が拡大しないように取り組むのが私の仕事だ」と強調した。