修学旅行で奈良を訪れてくれたのに、宿泊先は京都だった――。
日帰りされがちな奈良の悲哀を解消しようと、奈良県が新たな補助制度を始めた。県内で寺社見学や宿泊を合わせたプランの修学旅行をしてくれた場合、旅行代金の一部を支援する仕組みだ。県内の見どころを細かく巡ってもらい、奈良の魅力をさらに発信する狙いもある。
奈良市をのぞく県内のホテルや旅館に泊まり、県内を巡る日程を組んだ場合、児童生徒1人あたり2000円(1校上限10万円)の宿泊費を支給する。新型コロナウイルスの感染対策のため、貸し切りバスを増やして児童生徒の間隔を空ける学校も多い。補助金はそうした学校側の負担の軽減につなげ、修学旅行の誘致を増やしたいという考えもある。
同様の支援制度をすでに導入している奈良市での宿泊は対象から外した。県は、5月18日から2023年2月末までに実施する修学旅行に補助する。
また、県内に泊まった児童生徒が体験学習に取り組んだ場合も、1人最大2000円(1校上限10万円)の経費も補助する。座禅や能楽、鹿寄せ、柿の葉ずし作りなどへの参加を想定している。
県は補助金として総額500万円を用意した。問い合わせは県観光プロモーション課(0742・27・8553)。【久保聡】