甲府市国玉町にある大沼富士夫さん(69)の工房で、400年以上の伝統がある縁起物「甲州だるま」の製作が追い込みを迎えている。だるまは疫病よけとして親しまれてきた歴史があり、大沼さんは「新型コロナウイルスが早く収まり、明るい1年になってほしい」と願いを込める。 甲州だるまは武田信玄がモチーフとされる勇ましい顔つきが特徴。工房では昨年9月から張り子作りを始め、現在は色付け作業に追われている。大小15種類で高さ12~40センチほど。価格は1,200~1万円。色は赤、金、黒、黄、白など多彩だ。 昨年はコロナ禍で県内各地で開かれる春祭りに出店できず、工房での直売に限られた。1月末までの製作数は従来より3割減の約700個としたが、2月に甲府市で開かれる大神宮祭、厄除地蔵尊大祭に出店する予定。 大沼さんは「喜ぶ顔を直接見ながら渡すのが楽しみ。だるまを手にした人それぞれに幸せが訪れてほしい」と話している。
幸せ願い「甲州だるま」 甲府の工房で製作大詰め(山梨日日新聞)