食品ロスの削減に向け、甲府市は17日、賞味期限間近の食品を消費者が安価に購入できるマッチングサービス「甲府タベスケ」を2月から導入すると発表した。市内の精肉店や青果店などが売れ残りそうな食品を出品し、消費者がサービスを介して予約購入する仕組みで、関東甲信越では初の導入という。【梅田啓祐】
「タベスケ」は株式会社G―Place(京都府長岡京市)が運営する自治体向けのフードシェアリングサービス。食品廃棄物量の削減や市民の環境意識の醸成につなげる狙いで、既に兵庫県姫路市と長崎県佐世保市が取り入れており、三重県桑名市も甲府市と同じ2月に導入する予定。
市廃棄物対策室は、食品ロス削減のほか、新型コロナウイルス「オミクロン株」の拡大に伴い、店へ直接足を運ぶ消費者が減り、在庫を抱える事業者が増えることを想定。地域支援にもつながるとみている。
サービスは、甲府市保健所の営業許可を得た食品製造業、飲食店、宿泊施設、小売店などが「タベスケ」のサイトに登録したうえで「協力店」として売れ残りそうな食品を安価に出品し、「ユーザー」として登録した消費者が同サイト上で気に入った食品を選択し、予約購入のうえ、店舗で直接受け取る流れ。
登録料や利用料は無料で、店側の収益増やPRにつながるほか、利用者がお得に買い物ができるようになるとして市担当者も「消費者の財布もお店も、地球環境にも貢献できるサービスだ」と期待している。
樋口雄一市長は17日の記者会見で「市全体でSDGs(持続可能な開発目標)の推進につながる食品ロス削減によるゴミ減量化を進め、環境意識の醸成を図りたい」と述べた。