日銀甲府支店は11日発表した11月の金融経済概観で、山梨県の景気判断を10カ月連続で据え置いた。「新型コロナウイルス感染症の影響から、サービス消費を中心に引き続き厳しい状態にあるが、基調としては持ち直している」との表現も維持した。
水野裕央支店長は先行きについて「製造業は半導体や電子部品を中心に回復が継続しているが、そのほかでは部品の調達難などもあり注視が必要だ。非製造業は宿泊・飲食などで当面厳しい状況が続くが、観光客は戻りつつあり、ワクチン接種も一段と進展し、緩やかに回復するとみている」と述べた。
項目別では「個人消費」を11カ月ぶりに引き上げた。「感染症への警戒感が残り、サービス消費は厳しい状態にあるものの、観光などを中心に持ち直しの動きが見られる」とした。
一方、「生産」は1年6カ月ぶりに引き下げた。「全体としては増加しているものの、一部に供給制約の影響が見られている」とした。業種別では供給制約の影響を踏まえ、「生産用機械」を2年2カ月ぶりに、「輸送機械」を6カ月ぶりにそれぞれ引き下げた。地場産業の「宝飾」は「厳しい状況が続いているものの持ち直しの兆しが見られている」として12カ月ぶりに引き上げた。