山梨県富士河口湖町西湖の富士北麓(ほくろく)にある青木ケ原樹海の溶岩洞穴ではコロナ禍でも、涼しさを求める行楽客の姿が絶えない。西湖コウモリ穴の管理事務所によると、人出は最盛期の3分の1だが、8月以降、連日約300人が訪れている。
コウモリ穴は864年の富士山の貞観噴火の際、大量の溶岩が流出して火山ガスが発生し、空洞が洞穴になった。総延長は約350メートルで、夏の洞穴内の温度は9度という。
子ども5人と訪れた秋間幸恵さん(38)家族は、地下約5メートルに広がる洞穴を繰り返し歩き、涼と暗がりのスリルを満喫していた。身をかがめないと通れない高さ約80センチの横穴で長男・望来(みらい)さん(小学2年)は「頭を6回岩にぶつけた。ヘルメットがあって助かった。最初怖かったけれど気持ちいい」。幸恵さんは「溶岩のでこぼこや、暗くて見通せない分岐があって、大人でもどきどきしました」。
8~11月は無休。営業時間は午前9時~午後5時。入場料は高校生以上300円、小・中学生150円。管理事務所(0555・82・3111)は「マスクを着用し、密を避けて訪れて下さい」と話している。(河合博司)