下水中のウイルスで新型コロナの流行状況を把握する研究を進める山梨大のグループが従来より高感度で遺伝子を検出できる手法を開発したと発表した。 山梨大の原本英司教授らでつくる研究グループは去年、下水からの新型コロナ遺伝子の検出に国内で初めて成功した。新たな手法はPCR検査キットを扱う滋賀県のタカラバイオと共同開発したもので測定に使う遺伝子の抽出液を4倍に増やすことで感度を約8倍に高め、所要時間も1時間以内に短縮するなど遺伝子の効率の良い検出に成功した。1時間で40サンプルの調査が可能だという。 原本英司教授「下水を朝採取すればその日の日中・夕方までには十分結果が出てくる感染してる人の約半分の人は便の中にウイルスを排出しているので下水を調べるというアプローチによって無症状の方も含めて感染者の方から出てくる新型コロナを効率的にキャッチすることができる」 下水のウイルスは感染拡大に先行して増えるとされ、第5波に見舞われる前の7月下旬にはデルタ株が増加したことがデータから読み解けたといい、原本教授は「変異株を含む感染拡大が効率的に把握できれば封じ込めにも役立つ」と話している。 原本英司教授「例えばマンホールである街区のエリアをたーげとにしたりあるいはより小さな高齢者施設などを(検査)対象にすることで(施設など)クラスターが問題になる中で発生するだいぶ早い段階で下水中にはウイルスが出ることが考えられるので定期的に施設の排水を測定して新型コロナを検出するとクラスターの派生を未然に防ぐことができる」 来月28日からは検査キットも販売され、各種疫学調査などで活用が期待される。
元記事を読む