県内に適用されている「まん延防止等重点措置」がきょう12日に解除されるが、甲府市国母の市地方卸売市場では取引量に目立った変化は見られない。飲食店などは解除後に一気に客足が戻ると予想しておらず、仕入れを増やさず静観している様子がうかがえる。
仲卸業者「
宝亀(ほうき)
青果」は、飲食店や学校給食の取引が5割を占める。県内への重点措置適用後、売り上げは約3割減った。政府の重点措置解除方針を受け、県は感染対策のお墨付き「グリーン・ゾーン認証」を受けた店に対し13日から営業時間制限を解除し、酒類の提供を認めると9日に発表した。だが、取引先からの注文数は変わっていないという。
荒居直樹社長(69)は「18日からの3連休の頃には県内の観光地もにぎわい始め、飲食店からの注文も増えてくるのではないか」と期待を寄せる。
一方、鮮魚を扱う卸売業者「山梨中央水産」の風間稔営業本部長(54)は、「小売店は『まだ先が読めない』と慎重なまま。重点措置の解除が決まっても、どうなるかわからない」と不安げに語った。