県内最大の催し「信玄公祭り」の実行委員会は１０日に開いた臨時総会で、今年４月から延期し１０月２２～２４日の開催を予定していた今年度の祭りを中止し、来春の開催を検討することを決めた。中止は昨年度から２年連続となる。実行委副会長の仲田道弘・やまなし観光推進機構理事長は「生誕５００年の年に県民を挙げてお祭りをしたかった。来年はこれまでの２倍、３倍のお祭りにしたい」と無念そうに話した。
臨時総会はリモート形式で行われ７４人が出席した。新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでも感染拡大の可能性がなお高いことや、多くの観客が訪れる首都圏で緊急事態宣言が継続していることなどから、来年４月初めの開催が提案された。
また、例年は武田信玄の命日４月１２日に開かれ、祭りとともに延期されていた「武田二十四将騎馬行列」については、主催する甲府市側から例年通り４月１２日の開催が提案された。
いずれの提案も了承され、祭りについては詳細を検討した上で、今年１１月の総会で最終決定される。
実行委会長の長崎知事は、「無念の極みと断腸の思い。来春こそは皆様に心から楽しんでもらえる祭りとなるよう、鋭意準備を進める」とのコメントを出した。
祭りは１９７０年に始まり、コロナ感染拡大の前はオイルショックの影響を受けた７６年と、東日本大震災があった２０１１年に中止されている。１９年は３日間で約１６万６０００人を集めた。
