山梨県の長崎幸太郎知事は6日、県内で新型コロナウイルスの感染が急拡大していることを受けて、22日までの間、観光目的での来県自粛を要請した。お盆の帰省についても慎重な判断を求めた。県民に対しては不要不急の外出や移動の自粛などを要請した。
県内では5日まで1週間の新規感染者が313人と過去最多を更新し、人口10万人あたり38.6人とステージ4の目安となる同25人を超えている。
また県は感染者用の病床として重症者用24床を除き281床を確保しているが、今後、新規感染者が70人ずつ発生して半数が入院すると仮定すると、退院者数を考慮しても13日には満床になるとのシミュレーション結果を公表した。
長崎知事は「変異ウイルスの猛威で、医療体制はぎりぎりの危険な局面に入った」との認識を示した。県が6日に発表した新規感染者数は73人で過去最多を更新した。長崎知事は「自宅療養という事態を招かないためには、1日の感染者数をおおむね60人にする必要がある」とした。
県はこのほか、家庭内でのマスク着用などの感染対策を求めたほか、県独自の感染対策に関する認証制度「やまなしグリーン・ゾーン認証」を取得した施設には変異ウイルスに対応した新基準への取り組みを進めるよう要請。イベントや会議についても延期や中止、リモート・書面での実施を要請した。
県は10日に富士吉田市の県富士吉田合同庁舎に、同18日に甲府市のコンベンション施設「アイメッセ山梨」に会場を設け、合わせて約2万5000人に接種することを発表している。
