富士山がコンビニエンスストアの上に乗ったような写真を撮ろうと外国人観光客が押し寄せ、山梨県富士河口湖町が撮影スポットに設置した黒い幕について、渡辺英之町長は30日、張り替えを検討していることを明らかにした。黒色の印象が悪く、素材の遮光ネットの編み目を広げたような穴が開く被害も確認されたため。夏ごろまでの張り替えを目指し、他の色で穴が広がらないような素材を探す。
町によると、幕に開けられた穴は、設置翌日の22日に見つかり、数日の間に最大で直径1センチほどの穴が約10カ所に増えていた。町職員が毎日1~2回、現地を訪れ、広がっていれば修復している。「触れないで」と英語で書いた張り紙もした。
渡辺町長は30日の定例記者会見で、「(幕の設置は)思った以上に人の流れに効果があった。あとは色合いが持つイメージの問題だけかなと思う」と述べた。また、撮影のためとみられる穴を開けられた行為については、「ちょっと残念な気持ちだ。(穴を開ける行為が)犯罪に当たることを周知しなければいけない」と話した。
町は張り替えに向け、緑▽青▽茶▽銀――の4色のサンプルを収集。撮影時に透けたり、幕が風で膨らんだりしないかなどを確認して素材を決める方針。幕設置のニュースを見た民間企業から他の色や素材を使った幕の提案が相次いでいるという。【野田樹】