コロナ禍で業績が上向いた業界と、その一方で落ち込んでいく業界の2つに分かれる現象がありました。
業績を示すグラフがまるでアルファベットの「K」のような形をしていることから、いわゆる「K字回復」と言われていました。
およそ2年前は巣ごもり需要で、家電や電子機器などの販売が好調で半導体の需要が増えました。その一方で、観光や外食などのサービス業が落ち込んでいました。
いまの山梨経済を取材すると、実はこのK字回復が姿を変えて再び起きていることがわかってきました。
樫尾昂記者:
こちらは旅館のロビーです。チェックインを待つ多くの宿泊客でにぎわっています。
山梨県笛吹市の石和温泉街にある、明治12年創業の老舗旅館「糸柳」です。
糸柳 内藤修平専務:
これが予約表で、色がついているところは予約が入っている。白が空いている部屋。夏休みは満室に近い状況。
コロナ禍では、宿泊客がゼロのときもあるなど苦しんでいましたが、新型コロナが感染症法上の5類に引き下げられて3か月。
今、活況に沸いています。
コロナ禍を契機に、団体だけでなく個人の集客に力をいれていて、個人はコロナ前と比べて2割増えました。
以前より単価も上げ、例えば専用の露天風呂が付いた和室は、2人で8万円程度とハイクラスですが、8月はほぼ満室だということです。
糸柳 内藤修也社長:
コロナ禍の状況と比べると、予約自体はかなり増えていると思う。お客さんもかなり出かけたいというか、そういう思いで動いているのでは。
日本銀行甲府支店が7月に発表した県の金融経済概観では、今年4月の宿泊者の数が16%あまり増えていることもあり、県全体の景気について「一部に弱めの動きがみられるものの、持ち直している」としています。
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