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2023/06/16 ,

6月16日は「麦とろの日」麦ごはん×とろろ(山芋)で食後血糖値低下作用を確認

6月16日は「麦とろの日」麦ごはん×とろろ(山芋)で食後血糖値低下作用を確認

『主食改革』を提唱する株式会社はくばく(本社:山梨県中央市、代表取締役社長:長澤 重俊)は、山梨大学生命環境学部地域食物科学科(所在地:山梨県甲府市)望月和樹教授らの研究グループとの共同研究により、「大麦」と「とろろ(山芋とろろ)」を一緒に摂取する「麦とろごはん」に、食後血糖コントロールの作用があることを確認しました。

これまで麦ごはんの食後血糖上昇抑制効果は確認されてきましたが、麦ごはんととろろの組み合わせによる効果があるのかは知られていませんでした。本研究では、健常者を対象とした食事負荷試験にて、白米を対照として、麦ごはん、麦とろごはんの食後の血糖値およびインスリンの値の比較を行い、麦ごはん、麦とろごはんの食後血糖値低下作用を明らかとしました。
なお、本研究成果は科学雑誌『Asian Pacific Journal of Clinical Nutrition』 (Asia Pac J Clin Nutr 2023 32(1):40-47) に掲載されました。

■研究の背景と目的
伝統的な麦ごはんの食べ方として麦ごはんにとろろをかけて食べる「麦とろごはん」があります。大麦にはβ-グルカン、とろろ(山芋とろろ)には粘性の高い水溶性の食物繊維が含まれており、食後の血糖値を低下させることが期待されています。
しかしながら、麦ごはんととろろを組み合わせた「麦とろごはん」で食後の血糖値低下作用があるかは知られていません。
そこで、本研究では白米を対照として、麦ごはん、とろろかけごはん、麦とろごはんの食後の血糖値およびインスリンの値を比較することにしました。

■研究方法
山梨大学に在籍する糖尿病、生活習慣病などのない健康な学生に対し、日本Glycemic Index研究会が公開している統一手法に従い非盲検ランダム化クロスオーバーデザインで臨床研究を行いました。
具体的には、利用できる炭水化物量を50gに調整した白米、麦ごはん(総食物繊維1.6g、β-グルカン1.0g)、白米に山芋とろろをかけたとろろごはん(総食物繊維0.6g)、麦ごはんに山芋とろろをかけた麦とろごはん(総食物繊維1.9g、β-グルカン0.9g)を提供し、食前(0分),食後15, 30, 45, 60, 90, 120分の血糖を自己血糖測定器で測定しました。また、同時に食前(0分),食後15, 30, 60, 120分にはインスリン濃度をELISA法により定量しました。
各測定ポイントでの血糖値、インスリン値と曲線下面積(AUC)、および各試験食品のグリセミック・インデックス(GI)値を、白米摂取時をコントロールとして、群間比較(対応のあるt検定)しました。

■研究結果
① 麦とろごはんを食べた後45分以降の血糖値は白米を食べた時と比べて有意に低下し、AUCも同様の結果を示しました(図1)。また、とろろごはんでは食後血糖値及びAUCの低下は認められませんでしたが、麦ごはんではAUC値に低下傾向があったことから、麦とろごはんの血糖値の低下は大麦の影響が高い可能性が示唆されました。
② インスリン値は麦とろごはんを食べた時に白米を食べた時と比べて顕著な低下が認められましたが、他の試験群では変化がありませんでした(図2)。
③ GI値を100(白米のGI値を80)としたときの、各試験食品のGI値は麦ごはん57、とろろごはん79、麦とろごはん66となり、麦ごはんと麦とろごはんはGI値が55~69の「中GI食品」であることが分かりました。

図1 試験食品を食べた後の血糖値の変動(左)と曲線下面積(AUC)の比較
(#は白米と麦ごはんp<0.05で有意に差が認められたことを示し、*, **は白米と麦とろごはんでそれぞれp<0.05, p<0.01で有意に差が認められたことを示します)

図2 試験食品を食べた後のインスリン値の変動(左)と曲線下面積(AUC)の比較
(*, **は白米と麦とろごはんでそれぞれp<0.05, p<0.01で有意に差が認められたことを示します)

■今後の展望
本研究により、麦とろごはん、麦ごはんの食後血糖値低下作用が明らかとなりました。麦ごはんの血糖値低下作用はAUCの比較にて特に顕著に認められました。
一方で、インスリンは麦ごはんととろろを組み合わせた時に顕著に低下したことから、大麦ととろろの組み合わせが健康に貢献する可能性がありますが、そのメカニズムはまだ分かっていません。とろろの食感が咀嚼回数などに影響を与え、大麦が十分に消化しないまま小腸に運ばれたため、インスリンの分泌に影響を与えた可能性もありますが、今後、より詳細な検討が求められます。

■用語解説
(1) 非盲検ランダム化クロスオーバーデザイン:被験者、研究者がともにどの食事群に割付けられたか把握しており(非盲検)、被験者を無作為にグループ分け(本研究では4群)し、時期を変えながら、それぞれの食事を摂取してもらう試験デザインのこと。
(2) 食事負荷試験:白米ごはんなどの食事を摂取した後の血糖値の変化を測定する試験。本研究では、白米、麦ごはん、とろろごはん、麦とろごはんを摂取した後の血糖値の変化を比較している。
(3) グリセミック・インデックス(GI)値:糖質50g相当の基準食摂取後120分までの血糖上昇面積に対する、糖質50g相当の検査食の血糖上昇面積の割合を示す。本研究では基準食は白米となる。
(4) 曲線下面積(AUC):食事負荷試験の血糖値の変動曲線とX軸の間の面積。食事負荷試験での血糖値の増加量を表す指標。
6月16日、麦とろの日とは?

麦とろごはんを食べ、元気に夏を乗り切ってもらおうと、(株)はくばくが2001年に制定した記念日。(日本記念日協会にも登録されています)
麦ごはんのイメージアップと普及を目指しており、日付けの由来は6と16の語呂合わせでムギトロから。また、夏本番となる前の夏バテ解消に効果がある栄養を手軽に摂ることができる料理であることからこの時期に制定しました。

はくばくについて

当社の社名「はくばく」は白い大麦という意味です。創業社長である祖父が「もっと麦ご飯を喜んで食べてもらいたい。」という思いから、大麦を一粒一粒半分に割って黒い筋を目立たなくした製品を開発しました。
以来、我々はくばくは穀物とともに歩み、精麦の他、雑穀、和麺、麦茶、穀粉、米を事業として手がけるようになりました。
人類を太古から支えてきた大切な「穀物」を、現代の食卓へもっと多く登場させ、もっと楽しんで食べてもらうこと。それは家族の笑顔が増えること。またそれは家族が健康になることだと考えています。これを実現するために、我々はくばくは主食であるごはんの「質」を見直す「主食改革」を、社員一丸となって本気で目指して参ります。

 社名    : 株式会社はくばく 所在地   : 〒409-3843 山梨県中央市西花輪4629 代表    : 代表取締役社長 長澤 重俊 設立    : 昭和16年4月15日 資本金   : 98,000,000円 事業内容: 食品製造および販売 URL : https://www.hakubaku.co.jp/

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