山梨県にある富士五湖の一つ、西湖で水位が上昇した時などに使用する放水用ポンプの小屋が浸水し、稼働できなくなっていることがわかりました。
このため放水が追い付かずに水位が上昇し、営業できない観光業者が出ています。
浸水し沈んでいるのは放水用ポンプが入った小屋です。
県などによりますと、西湖に浮かべていた放水用ポンプは6月2日の大雨の際に稼働させていましたがその翌日、機械が故障し小屋が浸水したということです。
西湖は基準水位から80cmを超えると水門を開けて河口湖に放水していて、雨量が多い場合などはポンプを使って放水する量を増やして水位を保っています。
ポンプを使用することで放水量は1秒間に最大3.5トン。ポンプが使えないとおよそ2割減少します。
このため放水が追い付かず、9日午後2時時点の水位は基準水位プラス1m96cmと今年最も高くなりました。
西湖舟宿組合 渡辺安司組合長:
普段の西湖の水位は桟橋の右側が波打ち際、あっという間に2m近く増水したのでボートも水に浮いた状態。
西湖舟宿組合の組合長を務める渡辺安司さんが借りている湖畔です。
8日夜からの雨もあり、湖畔の波打ち際は通常よりも20m手前に寄せてきていて、9日は重機を使用してボートを引き上げる作業などに追われていました。
西湖舟宿組合 渡辺安司組合長:
今年は特別、時期もこんなに早く増水したのも私の記憶では初めて、ボートを置く場所、お客様の駐車場がなくなってしまう。
渡辺さんは水位の回復が見通せないことから7月上旬までの約100組の湖畔でのキャンプの予約をすべてキャンセルしたと言います。
渡辺安司組合長:
この春からコロナが5類におちて、やっと正常な営業ができると思って喜んでいたが、文字通り「水を差された」ような状態なるべく1cmでも2cmでも少なくなるよう願うばかり。
なお、ポンプの復旧は目途が立っておらず、県は仮設の放水ポンプの設置に向け準備を進めています。
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