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2021/08/20 , ,

酒提供禁止・休業・時短…重点措置適用「打撃大きい」

酒提供禁止・休業・時短…重点措置適用「打撃大きい」

 新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、山梨県に20日から「まん延防止等重点措置」が適用される。県内では酒類提供が禁止され、休業や時短要請が来月12日まで続く。夏休み終盤を直撃するため、観光施設などからは「打撃は大きい」と嘆きの声が上がる。
 甲州市内で醸造されたワインなどを販売、飲食や温泉も楽しめる市の観光施設「勝沼ぶどうの丘」では、営業時間を縮小、ワインの試飲も停止する。
 約200銘柄を試し飲みできることが売り。県独自の要請に応じ、14日からレストランの営業終了を早めたが、ワインの提供は続けてきた。「飲めないと施設の魅力が半減してしまう」
 試飲コーナーを先月改修し、集客に期待を寄せていた。「これからシャインマスカットが最盛期になり、ワインの醸造も本格化するだけに相当痛い」。担当者はそう嘆く。
 「萌木の村」(北杜市)も、酒類の提供禁止の影響が大きい。パブレストラン「ROCK(ロック)」は、併設ブルワリーで醸造するクラフトビール「八ケ岳クラフトビールタッチダウン」が人気。これを目当てに訪れる客も多いが、19日から提供を取りやめた。
 総支配人の三上浩太さんは「メニュー構成をビールに合わせており、大打撃です」。ホテルのバー「Perch(パーチ)」は、20日から営業を休止する。
 集客は例年、お盆の時期がピークだが、長雨もあり中旬以降は落ち込む。広報担当で不動産部マネジャーの舩木剛さんは「コロナが落ち着くまで、我慢するところは我慢するが、多くの従業員を抱えており、見合った補償がほしい」と話した。
 北杜市の平山郁夫シルクロード美術館も県の協力要請を受け、カフェの営業をストップしている。元々開館時間が午前10時~午後5時、例年に比べると来館者も7分の1程度に激減しているため、時短営業や繁忙期の半分が目安の入館者の人数制限などは影響がない。大塚裕一学芸室長は「現状をみると表だって来てくださいとは言いがたい。早く気持ちよく本来の美術館の活動ができるよう、コロナの収束を願うばかりです」と話した。
 重点措置の対象から外れた地域も県独自の要請で横並びとなる。村内で造られるクラフトビールが注目を集める小菅村は、道の駅にある飲食施設でのアルコール提供を20日から停止する。担当者は「利用客は減るが、ここなら飲めると県外を含めて人流が増えるのも困る」と理解を示した。
 富士急ハイランド(富士吉田市)では、午前9時から午後6時までの時短営業と入場制限を始めた。9月12日まで、園内の一部飲食店も休業する。
 いつもなら8月後半は、夏休みが遅い大学生らも多く訪れる。広報担当者は「お客様がたくさんきて、それこそ入場制限をかける時期。それが別の意味で入場制限をかけることになり、営業的には本当に厳しい」と語った。
 一方、岡島百貨店(甲府市)では、店内のすべてのレストランと喫茶店を休業する。地下の食品売り場では夕方の混雑時、客が購入品を袋に入れる際、1カ所に固まらないよう誘導するという。同店ではすでに県の独自要請を受けた段階で、レストラン2店を休業。店内の人数が800人になった時点で、入場制限をすることにしていた。営業推進部マネージャー塩島大和さんは「戸惑いはあるが足並みをそろえ、安全、安心に買い物できる環境を作りたい」と話す。
 一方、県が発した休業や時短要請については、「わかりにくい」との声も上がる。
 甲府市で飲食店を営む女性(73)は「グリーン・ゾーン」認証を受けずに夜も店を開けてきた。窓を開けて換気を心がけ、常連だけを入店させてきた。「認証がなくてもしっかり対策をしてきた。重点措置で何がどうなるのか、よく分からない」
 ただ、20日から午後8時までの時短営業に切り替える。「客には一人暮らしの人もいる。みんなでつながりたいから店を開けてきた。協力金をもらいたいから休業するなんてしたくはない」。そうきっぱりと語った。(永沼仁、岩城興、平山亜理、三ツ木勝巳)
     ◇
 飲食店や大規模商業施設などに対する県の協力要請は、新型コロナ対応の特措法にある二つの条文に基づいている。県はそれぞれの要請を一本化して運用し、全域で休業や時短、酒類の提供停止などを求める形になっている。
 一つは「まん延防止等重点措置」に伴う要請だ。18市町村が対象区域で、夜間営業の取りやめ(時短)を求める。酒類提供とカラオケ使用については日中も行わないよう要請した。従わなかった場合は20万円以下の過料が科せられる可能性がある。
 もう一つは14日からおこなっていた県独自の要請を継続するもので、県内全域が対象。休業などに加え、重点措置と足並みをそろえて酒類提供とカラオケの自粛も付け足した。こちらには罰則はない。
 要請に応じた事業者には一定の協力金を支給するが、グリーン・ゾーン認証を取得しているかいないかで支給条件や金額に差をつけた。(吉沢龍彦)

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