はじめに
モノも情報もあふれている今の時代。
同じような商品、同じようなサービスがたくさんある中で、
「お客様に選ばれる存在」になるためには、他と“ちがう理由”=“自分たちの個性”を伝えていくことが欠かせません。
そんなときによく使われるのが「ブランディング」という言葉ですが、
「ロゴを作ること」「かっこいいデザインにすること」だと思われていることも多いように感じます。
でも、実はそうではありません。
ブランディングとは、自分たちらしさ(=個性)を見つけて、磨いていくこと。
そして、その個性が最大限に伝わる形で、社会に向けて発信していくことなのです。
本記事では、「自分たちのらしさ(個性)を見つけることの大切さ」と、
それを伝わる形に整えて発信するための考え方を、やさしく紹介します。
「個性が分からない」のは、当たり前。
私たちきっかけデザイン研究所が山梨の企業さんと向き合う中で、
よく耳にするのが「うちって何が強みなんだろう?」「個性って言われても、ピンとこなくて…」という声です。
でもそれ、とても自然なことなんです。
自分たちにとっては“毎日当たり前にやっていること”や“昔から続けてきたこと”は、
意外にも、自分たちでは価値を感じにくくなってしまいます。
「らしさ」は、意外なところに眠っている。
たとえば──
- 手間を惜しまない作業の積み重ね
- 顔が見える仕事の仕方
- 地域やお客様との長年の関わり
- 代々受け継がれてきた想い
- 社員さんの誠実さや空気感
こういったことこそが、その会社にしかない“らしさ”であり、
他とちがう、選ばれる理由になります。
発掘して、言葉にする。それが第一歩。
「会社の良さをどう言葉にしたらいいか分からない」
「どこをアピールしたらいいのか定まらない」
そんなとき、私たちは、雑談のような対話から、少しずつヒントを拾っていきます。
たとえば、ある企業さんがポロっと口にした
「うちはね、正直ちょっと不器用なんですよ。でも、それだけ一つひとつに手をかけてるんです」
この言葉が、そのまま“会社の個性”になることもあります。
自分たちにとっての“当たり前”に光をあてて、言葉にし、整えていくこと。
それが、ブランディングの始まりです。
ブランディング=会社と社会の橋渡し。
見つけた“らしさ”を、わかりやすく、伝わりやすく整える。
それによって、お客様は「この会社、いいな」「信頼できそうだな」と感じ、
選ぶ理由が生まれます。
私たちきっかけデザイン研究所は、
かっこよく飾るのではなく、“あるものを磨く”という視点でお手伝いしています。
専門用語や流行り言葉に頼らず、山梨の会社さんに寄り添う言葉で、
その会社の“あたたかさ”や“空気感”が伝わる形を一緒に考えていきます。
おわりに
ブランディングは、何か新しいものを作ることではなく、
「すでにある個性」に気づき、それを大切に育てていくこと。
まずは、自分たちでも気づいていない魅力を一緒に見つけにいきましょう。
そして、その“らしさ”を、社会にちゃんと届けていくこと。
それが、これからの「選ばれる企業」への第一歩になります。
次回のパート2では、
その“らしさ”をどうやって体験として伝えるかという視点で、
「UX/UI」という考え方をご紹介します。