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2022/06/22 ,

「木の音」で子どものストレス解消 山梨県産材のおもちゃが完成 

「木の音」で子どものストレス解消 山梨県産材のおもちゃが完成 

 コロナ禍での子供のストレスを解消させ、五感による豊かな感性を育もうと、玉川大(東京都)の学生と山梨県北杜市の木工作家が連携し、山梨県産材の音の鳴る木のおもちゃを完成させた。2023年春から販売するとともに、幼児施設でのおもちゃによる演奏会も構想している。【山本悟】
 音の鳴る木のおもちゃづくりは、水源地域の振興に取り組む「やまなし水源地ブランド協議会」(会長・辻一幸早川町長)と玉川大教育学部が2021年7月に共同で立ち上げた「木のオトプロジェクト」の一環。音楽を用いた幼児の教育効果を研究しているゼミの2、3年生約30人がこれまで2回来県し、甲州市の森林や間伐、製材作業などを視察した後、幼児を引きつけるおもちゃのデザインを考案した。
 プロジェクトには、北杜市に移住し八ケ岳山麓(さんろく)で活動する木工作家3人が協力。学生のデザイン画をもとに、スギやヒノキなどの針葉樹とサクラ、クルミなどの広葉樹を使い、今年1月に計11点の試作品を完成させた。
 試作品は、けがをしないよう、すべての作品が角を丸く処理したものや丸い形で、無塗装のため口に入れても安全。木肌の色や感触、香りの違いを楽しみながら遊べるのが特徴だ。A4判の大きさの箱型で、木のバチでたたくと高音から低音まで6面すべて異なる音が出るヒノキ製木箱や、鈴を入れた楕円(だえん)形の猫顔のおもちゃ、ブドウの房に見立てた1・5センチ大の木玉をつなげ、握ると擦れ合う音がするものもある。
 協議会は、早川町や丹波山村、県産業技術センターをはじめ、民間企業やNPO法人など10団体で構成、県産材の普及と水源地域の森林保全を目的に15年に発足した。音の鳴る木のおもちゃは県内の幼稚園や保育所などに呼び掛け、23年4月から販売する予定だ。
 プロジェクトに参加する玉川学園中等部講師の斉藤祐也さん(35)は「細かい穴を無数に持つ構造の木材は柔らかく、子供の耳を過度に刺激する音を穴が吸収する。抗菌性も高くおもちゃに適した素材だ」と話し、「ストレスを解消し、子供はリラックスして遊べる」と説明する。協議会の担当者は「人口が減り続ける源流地域に元気を取り戻す起爆剤にしたい」と期待する。

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