【『ゴ・エ・ミヨ 2022』特設サイト】https://gaultmillau-japan.info/
【発刊記念イベントアーカイブ視聴】https://www.youtube.com/watch?v=5hWSNcU1xqk
ガストロノミー・パートナーズ株式会社(代表取締役:小野寺 裕司)は、『ゴ・エ・ミヨ 2022』の発刊を記念して『ゴ・エ・ミヨ 2022』発刊記念イベントを3月15日(火)、YouTube Liveにて配信いたしました。調査した店舗の中で、才能を縦横に発揮し、最も斬新で完成度が高く、インパクトのある料理を出した料理人へ贈られる「今年のシェフ賞」 は、富山県L’évo (レヴォ)の谷口 英司氏に贈られました。
1972年にフランス・パリで誕生したレストランガイド『ゴ・エ・ミヨ』。現在は世界15か国にて刊行・展開しており、単なる評価本ではなくその国の食文化を掘り下げ、その土地の持つ地域性(テロワール)に注目することで食の「今」を伝えています。レストランやシェフだけでなく、食材の生産者などにも注目して総合的に評価する姿勢は、媒体として高い信頼を得ています。特に、「新しい才能の発見」 という特長を持ち、新進気鋭のシェフをいち早く見出すその先見性に定評があります。
日本では2017年に刊行され、『ゴ・エ・ミヨ』の定める世界共通の基準のもと、「予約の電話から見送りまで」を評価し、レストランという舞台を支えるプロフェッショナルに光を当てることで、優れた料理店や新しい才能を見出してきました。
2022年版では、初掲載の九州・沖縄地方を含めた全41都道府県、477軒の名店をご紹介しています。
発刊に先立って行われた『ゴ・エ・ミヨ 2022』発刊記念イベントでは、毎年注目を集める「今年のシェフ賞」のほか、「明日のグランシェフ賞」や「期待の若手シェフ賞」をはじめとした9つの賞が、将来有望なシェフやソムリエ、パティシエなど、15名に贈られました。<今年のシェフ賞> 1名 谷口 英司氏(富山、レヴォ、フランス料理)
調査した店舗の中で、才能を縦横に発揮し、最も斬新で完成度が高く、インパクトのある料理を出した料理人へ贈られる賞です。
2014年、富山市郊外で「レヴォ」を立ち上げて以来、“前衛的地方料理”をコンセプトに料理界にその名を轟かせてきた谷口氏。2020年12月には、さらなる高みを目指すために富山県南砺市利賀村に移転。1日3組限定の宿泊施設を備えたオーベルジュとして新生「レヴォ」をスタートさせました。
谷口氏は利賀村へ移り住んだきっかけについて「自分たちが感じたものを、胸を張ってお客様にお出ししたいという思いがあった」と述べました。
プレゼンター: 株式会社ONODERAホールディングス 専務執行役員 入江 康文
都会ではなく、山奥で自分たちが自信を持って育てた食材を使い、美味しい料理をお客様へ提供する。自身をはじめ、主要なスタッフも利賀村に住み、地域に溶け込むことで究極の地産地消を追求することにこだわっています。
谷口氏は「雪が多い地域で大変なこともあるが、スタッフみんなで力を合わせながら楽しくやれている。もっと力強く、たくましくなれるよう努めていくことで、それがまた料理にも還元されてくると思っている」と語りました。<明日のグランシェフ賞> 3名
田熊 一衛氏(東京、レクレルール、フランス料理)
藤井 寛徳氏(富山、御料理ふじ居、日本料理)
前田 元氏(京都、モトイ、フランス料理)
確固たる基本技術の上に、独⾃の料理世界を築き、優れた才能として⽇本の料理界を牽引することが期待される料理⼈へ贈られる賞です。
フランスの名店で、シェフやスーシェフを務めた田熊氏は、薪を生かしたプリミティブな料理を追求し、「『ゴ・エ・ミヨ』 という名高いガイドブックから賞をいただけたのは大変光栄に思う」と感想を述べました。薪と料理とを照らし合わせ、技術を磨いていくことで、唯一無二の料理を生み出していく、「技術で勝負する」と語る田熊氏が、日本のフランス料理界にどんな新風を吹き込むか、大きな期待が寄せられています。
藤井氏は「前々から憧れていて、目指すべき賞だと心の中で思いながら日々過ごしてきた。それが今回受賞したことで、今までやってきたことが報われたような気がします」とコメント。富山・北陸の日本料理界を背負う身として「富山の良さ、北陸の良さをもっと広げ、たくさん足を運んでもらえるようなエリアへと飛躍させたい。これからも先人の教えを若い世代にしっかりと受け継いでいき、日本料理界の発展に貢献したい」と思いを語りました。
「まさか受賞できると思っていなかったので、びっくりしています。京都の魅力は、自分が走り回れるくらいの距離感に、たくさんの素晴らしい生産者の方々がいることです」と語る前田氏。料理界全体での自らの役割として、「教わってきたことをそのまま伝えるのではなく、今の世代に合わせた方法を模索しながらも、一方で諸先輩方から学んだ大切な『心』を下の世代にも受け継いでいきたい」と語りました。<期待の若手シェフ賞> 3名
井上 稔浩氏(長崎、ペシコ、ジオ・ガストロノミー)
鈴木 夏暉氏(長野、レストラン ナズ、イノベーティブ)
古屋 聖良氏(東京、クラージュ、フランス料理)
才能と情熱、技術とが、今後の活躍を大いに期待させる新進気鋭の料理人へ贈られる賞です。
「私たちのレストランを目指して、島原にはるばるお越しになられるお客様に感謝したい」と語る井上氏。今後の展望として「地域の関係性を大事にしながら、まずは5年、10年と続けていくこと。時間をかけながら継続していき、地域に必要とされるレストランになれるよう尽力したい」と、胸の内を語りました。
鈴木氏がシェフを務める「レストラン ナズ」は2020年9月、26歳の若さで店を開くや予約が殺到。世界の料理人が目指すデンマーク「noma」の厨房を経験し、帰国後、改めて信州の食材と発酵文化を見つめ直し、現在地で北欧と信州の「発酵と熟成」を軸に、食材のポテンシャルを追究、独自の料理世界を展開しています。
古屋氏は、オーストラリア・メルボルンにある世界ランキングにも登場するレストラン「Brae」で修業後、30歳で「クラージュ」のシェフに就任。学士会館でのクラシカルな料理の基礎に、海外での経験を加え、産地・生産者の顔が分かる食材を生かしたフランス料理で高く評価されています。<トランスミッション賞> 1名
中道 博氏(北海道、モリエール、フランス料理)
培ってきた知識と技術を、時に国を超え、世代を超えてトランスミッションすることに多大な貢献をされた料理人に贈られる賞です。
北海道の食の中核を担い続けている中道氏は1951年、北海道・登別に生まれ、1984年に自店をオープン。以来、高評価を得ながらも、近所の人が何かの祝いに訪れることが出来る店でありたいと価格を抑え、格式はあるが親しみやすい名店として市民に愛されています。<ベストパティシエ賞> 1名
加藤 峰子氏(東京、ファロ、イタリア料理)
デザートの独創性と個性を特に際立たせ、かつコース料理の締めくくりにふさわしいレストランデザートを提供しているパティシエに贈られる賞です。
世界最高峰のシェフのもとでシェフパティシエを務めた加藤氏は、イタリアから帰国後「FARO」のシェフパティシエに就任、華麗なデザートを皿の上に展開しながら、地球環境や食品ロスといった現代の課題に目を向け、チームリーダーとして女性の働き方改革にも取り組まれています。<ベストソムリエ賞> 1名
飛田 泰秀氏(東京、乃木坂 しん、日本料理)
ワインの知識やワインリストの構成のみならず、卓越した接客術を持ち、常にお客様重視の姿勢でサービスを行うソムリエに贈られる賞です。
飛田氏は受賞した率直な気持ちを「私が受賞していいものかと恐縮しています」と語り、ワインのサービスだけでなく、店の経営やマネジメントを含めたソムリエ像が評価されたことについては「石田伸二料理長とともに毎日現場に入りながら、少しずつ積み上げてきたことが評価いただけたのなら、非常に嬉しく思います」とコメント。今後のミッションには「飲食業界で働くサービススタッフの社会的地位向上」を掲げ、「ソムリエとして、経営者として業界を牽引していく」と目標を語りました。<トラディション賞> 1名
伊藤 剛治氏(滋賀、比良山荘、日本料理)
その土地が育んできた伝統文化を守り、時に挑戦を試み、次世代へつなぐ知識と技を磨き続ける料理人・職人・生産者へ贈られる賞です。
春の山菜、夏の鮎、秋の松茸、冬の月鍋…京都と若狭を結ぶ街道沿いに展開される「山の辺料理」を求め、全国から人々が目指す「比良山荘」。野趣に京都の風情も感じさせる伊藤氏の料理の数々は、「山の辺」の伝統を受け継ぎながら時代の空気を取り込み、人々を魅了しています。<イノベーション賞> 1名
蒲地 勝氏(佐賀、株式会社 カマチ陶舗)
自身のキャリア、料理哲学、コンセプトなどにおいて挑戦することを選び、新たな切り口で取り組む料理人・職人・生産者へ贈られる賞です。
世界のグランシェフが愛する「カマチ陶舗(とうほ)」の代表取締役・食器プロデューサーを務める蒲地氏は、フランス料理をはじめとした洋食の世界に日本の伝統工芸品、有田焼を持ち込み、料理界にイノベーションをもたらしました。<テロワール賞> 3名
北嶋 靖憲氏(神奈川、鎌倉 北じま、日本料理)
桑木野 恵子氏(新潟、里山十帖 -早苗饗-、日本料理)
豊島 雅也氏(山梨、トヨシマ、フランス料理)
土地の風土や食材、育まれてきた文化を尊重しつつ、食材または料理を通じて独自の挑戦を試みている生産者または料理人へ贈られる賞です。
鎌倉生まれの北嶋氏が、京都の名店仕込みの技で、地元の野菜と相模湾の魚介を生かした滋味深い日本料理を生み出している「鎌倉 北じま」。北嶋氏は、相模湾の魚種の多さ、豊かさを学び、料理の幅を広げ、鎌倉ならではの日本料理店として飛翔を続けています。
桑木野氏は「南魚沼に来たばかりの頃は右も左もわからなかったが、地元の生産者の方に支えられ、たくさんのことを教えていただいたからこそ、今があると感じている。関わってくれた生産者の方に感謝したい」と受賞の感想を話しました。自身の「里山ガストロノミー」を、「里山は、自然だけでなく人の手が入ることで成り立つ。自然と人が共存することでガストロノミーが生まれてくると考えている」とし、「今後も料理としてどう表現していくかを考えながら精進していきたい」と抱負を語りました。
狩猟免許を取り、養蜂、農業と、食にまつわる仕事の幅を広げる豊島氏は、自ら獲り、栽培したものを織り込み、フランス料理の技術で皿に表現しています。富士山の山麓一帯という大きな括りの中で土地の味を盛り込み、「富士山麓ガストロノミー」を提唱し、高い評価を得ています。
■ 書誌情報
書名:『ゴ・エ・ミヨ 2022』
発売日:2022年3月16日
定価:3,000円(税込)
判型:A5変形版
ISBN:978-4-344-95438-0
ページ数:312
発行:ガストロノミー・パートナーズ株式会社
発売:株式会社 幻冬舎
■ 書籍の購入について
全国の書店、オンライン書店にてご購入いただけます。
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