富士吉田市戦没者慰霊塔(通称・忠霊塔)の内部が14日公開され、雨の中を遺族らが新倉山中腹にある忠霊塔まで登り、納められている位牌(いはい)を確認し、合掌して霊を弔った。例年終戦の日を挟むお盆期間(14~16日)は市の遺族会が管理して内部を公開し、位牌を探す遺族を手助けしたり、相談に乗ったりしている。昨年は新型コロナウイルスの影響で中止され、2年ぶりの公開だ。
忠霊塔は、明治以降に日本が参戦した日清、日露、第一次世界大戦、太平洋戦争で戦没した市出身者の1055柱を合祀(ごうし)する。1962年に富士山と富士吉田の市街地を望む五重塔として完成した。桜の季節には、富士山と桜とが一つのアングルに収まることから観光客らが集まるが、戦没者を慰霊する塔であることを知る人は少ないという。