日銀甲府支店は13日発表した12月の金融経済概観で、山梨県の景気判断を12カ月ぶりに引き上げた。「新型コロナウイルス感染症の影響が和らぐもとで、サービス消費を中心に厳しい状態が残るが、基調としては持ち直している」とした。コロナの影響を「和らぐ」とし、「引き続き厳しい状況にある」としていたサービス消費については「厳しい状況が残る」と限定的な表現に変更した。
項目別では「個人消費」を2カ月連続で引き上げた。水野裕央支店長は「11月以降は感染症が落ち着いていることも踏まえ、大型小売店では催事などへの集客が増加した。観光客の増加により土産物の売り上げも回復している。食料品も底堅く推移しており、富裕層の購買意欲も根強いとの声もある」と述べた。
コンビニエンスストアも「11月以降は県内外からの来店が回復している」という。観光については「10月以降、地方自治体の宿泊割りに支えられたほか、修学旅行や休日を中心に観光客が戻ってきているが、バスやタクシーの需要は厳しい状況が続いている」とした。飲食は「客足が戻りつつあるが、店舗によってまだら模様。感染症への警戒感が残る中、宴会需要が例年通りに戻るにはもう少し時間がかかる」と述べた。
一方、「生産」は据え置いたものの、業種別で「汎用・業務用機械」を1年7カ月ぶりに引き下げた。「受注は好調なものの、原材料の調達難など供給制約の影響で生産が下押しされている。受注残が積み上がっている企業もある」と指摘した。
