甲府財務事務所が9日発表した山梨県の法人企業景気予測調査(10~12月期)によると、景況感を示す10~12月期の景況判断指数(BSI)は全規模・全産業でマイナス3.4と4四半期連続でマイナスとなった。ただし、マイナス幅は3四半期連続で縮小した。
規模別では大企業がマイナス6.3となり、中小企業はマイナス23.8とマイナス幅を拡大した一方、中堅企業が27.6と大きくプラスに転じた。先行きの景況感を示す22年1~3月期のBSIは全規模・全産業でマイナス5.7とマイナス幅を拡大し、4~6月期は23.0とプラスに転じる見通しだ。
BSIは前の四半期と比べた景況判断で、「上昇」と答えた企業の割合から「下降」と答えた企業の割合を引いた値。「不明」や「不変」との回答は除いて算出する。
河内健司所長は「調査時点が11月15日のため、企業の聞き取りでは(新型コロナウイルスの新たな変異型)オミクロン型に関する言及はなかったが、今後、感染第6波を考えると、県内では観光・宿泊関連や製造業のサプライチェーンについて注視していかなくてはいけない」と述べた。
景況感に関する企業のヒアリングでは「自動車の生産調整の影響から車載部品の受注が減少した」(電気機械器具製造業、中堅企業)や「客数、売り上げとも回復していない印象」(娯楽業、大企業)との声がある一方、「半導体不足により製造に必要な部品が徐々にではあるものの手に入るようになってきた」(情報通信機械器具製造業、中堅企業)や「10、11月の売り上げは7~9月に比べて増加している」(卸売業、中堅企業)などの声が聞かれたという。