認定NPO法人フードバンク山梨(山梨県南アルプス市)は、県内全域の困窮者に食料品を届けるため、各地の支援団体とネットワーク体制を築き上げる。11日、甲府市内で会見を開いて発表した。コロナ下で困窮世帯が急増するなか、「きめ細かな支援につなげたい」としている。
フードバンク山梨が中核を担い、寄付された食料を各地の支援団体を通して家庭に届ける。各団体を「地域フードバンク」と位置づけ、それぞれの地域内でも、食料の収集から配達まで一貫して行えるようにする。
そのため食料の入手や配送、ボランティア育成などノウハウを伝える。同時に各団体が得意分野を生かし、互いに補い合う関係もつくる。これまでNPO、企業、子ども食堂運営者など8団体が参加の意向を示す。15団体を目標に順次、活動を広げていくという。
フードバンク山梨によると、昨年度実施した「コロナ禍緊急食料支援」の対象世帯は延べ3711世帯。通常支援と合わせ、前年の約2倍の1万593世帯に食料を届けた。
これまでも夏季など一時期だけ、食料の調達など他団体の協力を受けることがあった。城野仁志副理事長は「支援を必要とする世帯が増えるなか、(私たちだけでは)限界を超えている。年間を通じて連携することで、県内全域で支援を拡充していきたい」と話した。
問い合わせはフードバンク山梨(055・298・4844)へ。(岩城興)