新型コロナウイルスの感染対策のお墨付き「グリーン・ゾーン認証」を基にして、国際的に通用する新たな認証基準を創設するため、県は22日、宿泊施設でコロナ対策製品の実証実験を始めた。外国人観光客の受け入れ再開時に、感染対策で他の観光地より優位に立つのがねらいだ。
実験は県内3か所の宿泊施設で行われ、国内外の28社から55種類の製品が提供された。11月中旬にかけて、客室やロビーなどに除菌装置や抗菌コーティング剤といった製品を設置し、2週間に1度、ウイルスの付着状況を調査して実際の使用環境での効果を検証する。
実験が行われる笛吹市の老舗旅館「石和名湯館 糸柳」では、衣服に付いたウイルスを取り除く効果があるとされる噴霧器が設置され、館内を自走して壁や床に薬剤を吹きつけるロボットなども導入された。
効果が認められた技術は、新たな認証基準に盛り込まれる。従業員や利用客へのアンケートも実施し、利便性や業務上の負担も勘案した上で、県は年内の新基準策定を目指す。
県グリーン・ゾーン推進課の鈴木孝二課長は「感染対策を気にかける外国人観光客に選ばれる環境を作り、コロナ後の反転攻勢につなげたい」と述べた。