甲府地方気象台は22日、今月7日に発表した富士山の初冠雪記録を取り消した。20日に平均気温の今年の最高値が更新され、富士山の初冠雪基準を満たさなくなったためで、今後、記録を取り直す。
同気象台によると、富士山の初冠雪基準は、山頂の日ごとの平均気温が最高を記録した後に、甲府地方気象台から職員が目視できた場合に発表している。今年は8月4日に平均気温9・2度を観測して以降いずれも下回ったため、この9・2度を最高値として確定させ、9月7日に発表。平年より25日、昨年より21日早い記録だった。ところが20日に、山頂に近い3000メートル付近に南から暖かい空気が入り込んだため、10・3度を観測した。
同気象台は「今年は山頂の気温の変動が激しく、最高値を確定させる判断が難しい」と頭を抱えている。東京管区気象台によると、最高値の更新記録が残っている2009年以降は、初冠雪記録の取り直しはないという。【山本悟】