戦国武将・武田信玄の父で、甲斐国を統一した武田信虎の晩年を描く時代劇映画「信虎」が今秋から公開されるのを前に、主演を務める俳優の寺田農さん(78)や金子修介監督(66)らが14日、武田神社(甲府市古府中町)を訪れ、ヒットを祈願した。
主人公は1541年に息子の信玄から駿河に追放された後、京都で足利将軍に仕えていた武田信虎。1573年に信玄が他界すると、織田信長との決戦にはやる後継の勝頼と対峙(たいじ)し、武田家の存続のため、知略を巡らせる晩年の姿を描く。
映画「デスノート」や「ガメラ」シリーズなどで知られる金子監督がメガホンを取り、歴史考証は武田家研究で知られる歴史学者の平山優さん(57)が担当。主演作は36年ぶりという寺田さんをはじめ、多くの名優が出演する。
寺田さんは神社で玉串を奉納後、報道陣の取材に「信虎は戦略家であり、優れた政治家だった。(この映画が)日本人が歴史を勉強する良い機会になればうれしい」と述べた。平山さんは「信虎がいなければ信玄の時代は来ず、武田家の飛躍もあり得なかった。評価を考え直す時期であり、ぜひ映画館で信虎を見てほしい」と話した。
映画「信虎」はTOHOシネマズ甲府(昭和町)で10月22日から先行公開し、11月12日から全国で公開される。【梅田啓祐】