山梨県は14日、一般会計で187億円の補正予算案を公表した。補正後の一般会計の総額は5864億円で、2020年度の同時期比7.7%減。新型コロナウイルスに対応する医療提供体制の整備や、コロナ対策の「まん延防止等重点措置」などの影響を受けた県内経済を回復させるための事業費を含むコロナ関連予算161億円を盛り込んだ。
長崎幸太郎知事は医療提供体制について「医療へのアクセスなしに自宅療養となる人はこれまで1人も出しておらず、今後も出さない方針を堅持する」と述べた。経済対策については「医療提供体制を強化し、ワクチン接種も進展しており、経済再生により重点を置き始める必要がある」とした。
医療体制の整備では、医療機関や宿泊療養施設に入院・入所する無症状・軽症者のうち基準を満たした人を、感染拡大時に自宅療養に切り替え健康観察などを継続する「退所後ケア」の事業費6億7300万円を計上。ワクチン接種を加速するため、11月末までに2回接種を完了した18~39歳の県内在住者に抽選で県産品や食事券を提供する費用2700万円なども盛り込んだ。
また、県独自の感染対策認証制度「やまなしグリーン・ゾーン認証」を取得した飲食店などを支援するため、利用時に実質20%割引となるキャンペーンや、20%相当のプレミアム付き食事券の発行などの事業費12億円を計上した。50億円の消費を喚起するという。中長期的な観光の底上げを目指し、冬の観光資源を生かす取り組みを支援する事業費3億6800万円なども盛り込んだ。
一方、県は22日に県内5カ所目の宿泊療養施設を甲府市内に開設すると発表した。133室が加わることになり、既存の673室と合わせ806室となる。このうち479室は医師や看護師らが常駐する「臨時的医療施設」に該当する医療強化型となっている。