山梨県富士吉田市は13日、山梨側の富士山吉田口登山道6合目の登山者数が7月1日の山開きから9月10日の閉山までの夏山シーズンで6万5519人だったと発表した。2020年は開山しておらず、新型コロナウイルスの影響がなかった19年(18万5807人)に比べ65%減った。記録が残る1981年以降で最少となった。
同市は「インバウンド(訪日外国人)が来ない影響で平日が減り、週末も8月上旬から中旬に雨の日が多く、日本人の登山者が減った。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置により、人の移動が制限されたことも影響した」(富士山課)と分析している。
1日あたりの登山者数は19年に3000人を超える日が22日間あったが、21年は8月28日(3389人)の1日だけで、2000人を超えた日も7日間にとどまった。
シーズンを通じて6合目を午後9時~翌日午前0時に通過して山頂を目指す「弾丸登山者」は全体の2.47%と19年の5.98%より大幅に減った。担当者は「山梨側の麓と5合目を結ぶ有料道路、富士スバルラインの営業時間を午前3時~午後6時までに限定した効果があったと考えられる」としている。
富士山課によると、夏山シーズンの登山者が10万人を割り込んだのは今回を含めて4回で、これまでの最少は1993年の8万614人だった。