「新型コロナウイルス感染拡大の影響で」という表現が、枕ことばとして使われるようになって久しいが、そのおかげで週末、夫婦で散歩をすることがすっかり暮らしの中に定着した。「今日は○○公園かな」などとなんとなく目的地を決めて、あとは自宅から2時間ほど気ままに歩く。日々のたわいない話をしたり、庭に咲く花や近くを流れる川の水面、まちの風景などを眺めたり、時には偶然新しいお店を見つけたりすることもある。実際のところ、何か目的があるわけではないが、夫婦にとっての楽しみのひとつになっている。
そもそも散歩の目的はなんだろうか。健康増進であったり、会話を楽しんだりすることかもしれない。それだけではなく、偶然に出会うものやことに触れることで、季節のうつろいやその土地の魅力を感じ取る「心の遊び」のようなものが、散歩にはあるのだろう。