【山梨】甲府市内で30年以上営業してきた洋食レストランのオーナーは、重点措置の期間中も営業することを決めた。アルコール提供は控えるが、それ以外はいつも通り店を開けるつもりだ。
店内に15の客席がある。やまなしグリーン・ゾーン認証を受けるには間隔を空けて6席に減らさなければならず、断念した。入り口に消毒液を置き、空気清浄機も二つつけた。
「損得だけを考えれば、休んだ方が得。体も楽」。休業に応じれば1日2万円が出る。それだけの利益を出すには6万円の売り上げが必要だ。コロナ禍で客が激減し、そんな売り上げは出せそうもない。
それでも営業するのは、長年来てくれている客や仕入れ業者のためだ。コロナ禍になってから一日も休んでいないという。
今回の休業要請は性急すぎたと感じる。何が罰則の対象になり、何がならないのかも分かりにくいのに、急に判断を迫られた。
県はグリーン・ゾーン認証を受けていない店には終日の休業を要請している。だが、重点措置に限れば、夜間営業とアルコール提供をやめるよう求められているだけだ。この店の営業時間ならば、罰則の対象にはならない。
「罰則を科すと言われたらやめるけれど、そっと静かに営業していきたい」。なじみの客には「うちはグリーンゾーンじゃなくてグレーゾーンだね」と冗談めかして言っている。(平山亜理)