中央市大鳥居の大福寺で14日、坐像としては県内最大の県指定文化財「木造薬師如来坐像」(高さ2・8メートル)の搬入作業の見学会が開かれた。多くの人が見守る中、東京都内の工房で保存修理を終えた坐像が安置された。 市教委生涯学習課によると、寺は鎌倉時代に活躍した甲斐源氏の一族・浅利与一の菩提寺として知られ、坐像は11世紀前半(平安時代)の制作とされる。最後に修理されてから170年以上が経過し損傷が進んでいたため、与一の没後800年事業の一環として、2019年7月から都内の工房で修理を行っていた。 14日、坐像の胴体と脚が分割して運ばれ、檀家など地域住民が見守る中、寺の文化財保存庫に搬入され、組み立て作業が行われた。完成後、若尾光裕住職が坐像に魂を入れる開眼の法要を行った。 寺によると、坐像は寺が収蔵する文化財とともに12月下旬から一般公開する。若尾住職は「多くの人に見守られ、今日が無事に迎えられてよかった。歴史ある坐像を大切に守っていきたい」と話した。
修復の如来像搬入 来月下旬に公開(山梨日日新聞)