清水港(静岡市)を運営する鈴与と川崎近海汽船清水支店、静岡県の3者は11日、RORO船(貨物専用フェリー)の清水―大分港就航5年を記念する式典を清水港で開いた。中部横断自動車道の静岡―山梨間が8月に全線開通したことを受け、同汽船の森岡孝光支店長は「甲信地域とのモノの流れが生まれる。開通を追い風にビジネスチャンスを生かしたい」と語った。
RORO船は2016年に両港間の運航を始めた。清水港から大分港を通じて九州に飲料や水産加工品、家庭紙などを運び、九州からは農産物などを静岡県に輸送している。物流の需要増を見込んでいた中部横断道が開通し、同汽船や鈴与は山梨、長野の製造業などに営業を強化するという。
県清水港管理局の尾崎元久局長も「3月に改定した港湾計画にはRORO船専用のターミナルを整備する計画も盛り込んだ」と述べ、中部横断道開通による地域経済振興に期待感を示した。