富士山の山梨県側にある吉田口登山道で1日に山開きを迎える。山頂でご来光（日の出）を拝もうと、30日昼ごろから、登山客らが山小屋を目指して登り始めた。今シーズンは全国的に新型コロナウイルスの感染状況が落ち着き、訪日外国人観光客の受け入れも再開されたため、登山者の増加が期待される。
午後5時ごろ、8合目の山小屋に到着した英国出身で東京在住のサリー・スペンサーさん（52）は「初めて富士山に登るが、景色の美しさで疲れを忘れた。日本の誇る素晴らしい自然に感激した」と話した。
コロナ禍で2020年は開山が見送られ、昨年は2年ぶりの開山となったが、同登山道の利用者数は計6万5519人と、集計を始めた1981年以降で最低となった。
山梨県は昨年は3カ所で実施していた検温や体調などのチェックを今年は1カ所に縮小し、登山者の安全と客足回復の両立を図る。登山道にある山小屋でも検温や消毒の他、寝床に間仕切りを設けるなどの対策を講じて登山客を迎える。【田中韻】
