29日にスタートしたゴールデンウイーク(GW)は、2019年以来3年ぶりに新型コロナウイルス対策の行動制限がなくなった。本格的な観光シーズンを迎え、甲信地方では各地で恒例の行事が行われた。
世界文化遺産・富士山の構成資産の一つ「吉田胎内樹型」のある吉田胎内神社(山梨県富士吉田市)で29日、胎内祭があり、富士山を信仰する富士講道者が神事「お焚(た)き上げ」を営んだ。「吉田胎内樹型」は富士山の溶岩でできた洞穴で、人間の内臓に似ていることから「御胎内」と呼ばれ、富士山を信仰する富士講道者は登拝の前日に訪れて身を清める。
胎内祭は洞穴を管理する富士山北口御師(おし)団が主宰し、年に一度この日だけ内部に入れる。祝詞奏上、玉串奉てんの後、丸伊講(神奈川県横須賀市)の斉藤義次先達(91)ら6人の道者が粗塩の上に富士山型に立てた線香に火をつけ、御神語を唱え、願いごとを書き込んだ紙「焚き符」を火にくべた。