都留市は今月中にも、ふるさと納税の返礼品に、同市小形山の中谷遺跡で見つかった縄文時代晩期の「耳飾りを付けた土偶」の実物大レプリカを追加する。色や形が忠実に再現されており、新たな返礼品として“縄文アート”が注目を集めそうだ。(市川憲司)
実物の土偶は、高さ約23センチ。ハート形の頭部に一対の耳飾りがついている。1972年にほぼ原形をとどめた状態で発見され、96年に県有形文化財に指定された。現在は同市の「ミュージアム都留」で常設展示されている。
市などが出資する「市観光振興公社」が、全国的にも珍しい土偶をPRするためにレプリカ製作を企画した。
東京芸術大の専門家に製作と監修を依頼し、3Dプリンターなどを活用してリアルな仕上がりを追求。表面の朱色や、入れ墨と考えられている背中の突起なども忠実に再現した。今回製作したのは20体で、それぞれの台座にシリアルナンバーを記した。
ブローチも作製 同公社は、この土偶の全身と頭部をかたどった2種類のブローチも作製。市は実物大レプリカと二つのブローチのセットを寄付額10万円の返礼品とする予定だ。
ブローチは、同ミュージアムや道の駅つるで各1000円(税込み)で販売されているが、実物大レプリカは非売品。同公社の担当者は「全国的には土偶に関心がある人が大勢いるので、レプリカに興味を持ってもらえると思う」と話している。