日銀甲府支店は21日発表した1月の金融経済概観で、山梨県の景気判断を「サービス消費を中心に厳しい状態が残るが、基調としては持ち直している」として2カ月ぶりに据え置いた。2021年12月は12カ月ぶりに引き上げていた。項目別では「生産」のうち「輸送機械」を12カ月ぶりに引き上げ、ほかは全て据え置いた。
水野裕央支店長は今後について「当面、（新型コロナウイルス）感染症の影響を受けやすいサービス消費を中心に下押し圧力が強まる可能性がある。（コロナの）変異ウイルスが山梨に与える影響を注視していきたい」と述べた。
項目別で唯一引き上げた「輸送機械」については「自動車メーカーや車種によって異なるが、半導体不足や部品の調達難など供給制約の影響は残るものの、足元で持ち直しの動きが見られる」とした。
供給制約について水野支店長は「東南アジアでの感染拡大による部品の調達難、サプライチェーンの問題は徐々に解消しつつある。一方、半導体需要の急拡大に供給が追いついていない需給バランスが崩れた問題は少し時間がかかる」とした。
「個人消費」は据え置いたが、コロナの急速な再拡大を踏まえ、1月の3連休の前後で判断を分けた。「3連休ごろまでは感染症が比較的落ち着いていたため、修学旅行や休日を中心に観光客が戻ってきていた。バスやタクシーも回復がみられていた。飲食店にも客足が戻りつつあった。しかし3連休以降は宿泊や飲食で予約のキャンセルが出ており注視が必要だ」とした。
