東京商工リサーチ甲府支店がまとめた山梨県内の企業倒産状況(負債総額1000万円以上)によると、2021年(1~12月)の倒産件数は19件と20年に比べ12件減った。負債総額は同17%減の56億8100万円だった。件数は比較できる1989年以降で最も少なく、負債総額は2番目に少なかった。
国や金融機関による柔軟な資金繰り支援やコロナ関連の融資もあり、リーマン・ショックのあった08年(110件)の5分の1以下と低水準だった。負債額5億円以上の大型倒産は2件と20年に比べ2件減ったが、いずれも負債が10億円を超す規模だった。新型コロナウイルスの関連倒産は6件だった。
業種別では、サービス業が7件で最も多く、建設業と小売業が4件で続いた。理由は販売不振など不況型倒産が92%を占めた。
同支店は「コロナ関連の資金支援で延命し、見た目の倒産件数は本来より少なくなっている。返済が始まるとむしろ負担が増す。さらに、コロナの変異型『オミクロン型』の感染拡大で旅行や飲食などのサービス業への影響が懸念される。収束見通しの不透明感も増しており、息切れ倒産という形で倒産件数が増える可能性は否定できない」と分析している。