山梨県は3日、情報通信技術(ICT)を活用して複数の交通機関を組み合わせた移動ルートを提案・提供し、観光に活用する「やまなし観光MaaS(マース)」の実証実験を始めた。スマートフォンのアプリなどで目的地を入力すると、交通機関の予約や決済が一括でできるサービスで、対象エリアは甲府、笛吹、甲州、山梨の4市。 4市を「シンゲンランド」と題したテーマパークに見立て、インターネット上にガイドマップを表示。4市内を周遊するバスなどを運行していて、行きたい場所を選択するとルートが表示される。 「シンゲンパス」と呼ばれるチケットを購入すると、周遊バスや県立施設へのシャトルバスなどが1日利用可能になる。価格は中学生以上2千円、小学生千円(いずれも税込み。未就学児無料)。実験は11月中の土、日曜日と祝日の計10日間を予定している。 甲府・昇仙峡では自動追従機能を備えた小型の乗り物「PiiMo(ピーモ)」を導入した。ガイドの音声案内を聞きながら、時速約4キロで渓谷沿いを走行する。ピーモの公道走行は国内初という。 3日、同所で行った出発式には長崎幸太郎知事ら約30人が出席。テープカットなどをした後、ピーモに試乗した。長崎知事は「今回は甲府市と峡東地域の3市のみだが、富士山周辺、県内全域も回れるような形にしていきたい」と話した。
観光スマホで楽々 予約、決済サービス実証(山梨日日新聞)