世界遺産の保存や活用などについて助言する富士山世界文化遺産学術委員会が開かれ、コロナ禍での地元経済への影響など登山者が激減した今年の富士山の状況を調査すべきといった意見が出されました。
学術委員会は富士山の環境保全や活用について助言を行うもので、10月25日東京都内で開かれました。
山梨県の報告によりますと、今年の夏は新型コロナの感染拡大や天候不順の影響で、4つの登山口からの登山者の数は約7万8600人で、おととしと比べ67%減少しました。
これにより吉田口登山道では、保存管理計画で定める「1日あたりの登山者数が4000人を超える日を3日以下とする」指標が初めて達成されました。
一方、委員からはコロナ禍で登山者が減ったことで経済的に、また環境的にどのような影響があったか調査し、それを参考に今後の登山者数の制限などに生かしていくべきなどといった意見が出されました。
学術委員会の意見は山梨・静岡などでつくる協議会に報告されます。