学生へのパワーハラスメントを理由に山梨大(甲府市)を諭旨解雇されたのは無効だとして、竹田扇元同大大学院総合研究部医学域教授(53)が、同大を相手取り地位確認などを求め、11日にも東京地裁に提訴する。
竹田元教授は、同大の島田真路学長の任期延長を巡り、メディアなどで批判しており、反学長派の排除が解雇理由と主張している。東大や筑波大などでは、学長権限の強化や学長選考を巡って混乱が生じており、提訴は波紋を広げそうだ。
同大によると、竹田元教授は、相談に来た男子学生に暴言を吐いたとされる。学生はその後、精神状態が不安定となり退学や自死を考えたという。山梨大は7月、竹田元教授を諭旨解雇処分とした。
訴状によると、竹田元教授は、男子学生から相談を受けたのは事実だが、暴言は吐いていないとしている。
同大では、学長任期の規定を改定して、今年4月で切れるはずだった島田学長を再任(2年)。さらに学長を選ぶ際の慣例だった教員による意向投票は、実施せず、竹田元教授らが反発していた。
山梨大は「訴状を確認していないのでコメントは差し控える」としている。【鈴木英生】