伝統の和紙作りをどこでも体験できるようにしたいと、西嶋和紙工業協同組合(身延町)が「西嶋和紙
漉(す)
き移動体験車」を導入した。17日には車両のお披露目を兼ね、身延町立身延清稜小学校の児童52人が紙すき体験をした。
児童たちは、組合員らの手ほどきを受けながら、温かみを感じさせる和紙のはがき作りに挑戦した。2年生の渡辺英輔君(8)は「紙すきは2度目。車があって学校でもできるのが楽しい」と笑顔だった。
体験車は、軽トラックを改装したもので、乾燥台など大型の器具を含めて紙すきに必要な道具や材料を全て載せて移動できる。外装には町のキャラクター「みのワン」などのイラストもあしらわれた。
コロナ下の休校に伴う書道用和紙の需要縮小や、観光客数の減少で町内の和紙業界は苦境に立たされているという。
同組合の笠井一洋組合長は「こちらから出向くことで西嶋和紙を知ってもらう機会も増え、販路開拓にもつながる。県内外にPRしていきたい」と話した。