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2021/09/21 , ,

山梨の基準地価、下落幅縮小 別荘需要や中部横断道効果

山梨の基準地価、下落幅縮小 別荘需要や中部横断道効果

山梨県が21日発表した2021年の基準地価(7月1日現在)は、全用途の平均変動率がマイナス1.2%と、1993年から29年連続で下落した。ただし、下落幅は0.3ポイントと2年ぶりに縮小した。住宅地と商業地も29年連続で下落し、昨年2年ぶりに下落した工業地は横ばいだった。
代表幹事として調査をとりまとめた不動産鑑定士の鶴田郁哉氏は「新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに2拠点居住への関心が高まり、別荘地の需要が高まったほか、(8月29日に山梨―静岡間が全線開通した)中部横断自動車道の波及効果を見込んだ工場や物流拠点の需要が高まった」と話している。
県内の林地を除く調査地点は20年から2地点減って258地点。上昇は2地点増えて6地点となり、横ばいは9地点増えて52地点だった。
住宅地の平均変動率はマイナス1.3%と、前年(マイナス1.6%)より下落幅が0.3ポイント縮小した。上昇は5地点と20年より2地点増え、上昇幅も拡大した。横ばいは6地点増えて30地点となった。
住宅地は富士河口湖町や鳴沢村などの富士北麓地域や北杜市の別荘地で2拠点居住を目的とした需要が高まっている。低金利の継続もあって地価が上昇した地点があった。富士山の眺望が良い別荘地にある富士河口湖町大石の地点は県内で最も上昇率が高い5.2%の上昇で、20年(プラス1.1%)から4.1ポイントも上昇幅を拡大した。
同町のほかの住宅地も下落幅が縮小か、横ばいになっている。北杜市の別荘地では中古別荘に需要が集中しているという。
一方、住宅地の下落要因について、鶴田氏は「住宅購入を控えるなどのコロナの影響は限定的で、高齢化や人口減少といった影響が大きい」と指摘。市町村別では高齢化率が高い身延町などの下落幅が大きくなっている。
商業地の平均変動率はマイナス1.2%で、下落幅は20年より0.2ポイント縮小した。上昇地点は20年に続きゼロで、横ばいは2地点増えて7地点となった。
特に富士河口湖町船津の地点は、20年にコロナの影響で訪日外国人(インバウンド)がほぼ来なくなりマイナス4.1%まで落ち込んだが、21年は国内観光に一部回復傾向が見られたほか、コロナ後を見込んだ需要もあり横ばいになった。
中部横断道へつながる道路沿いの南アルプス市浅原の地点は山梨―静岡間の全線開通がプラスに働き、20年のマイナス1.1%から21年は横ばいとなった。
工業地は20年のマイナス0.1%から21年は横ばいとなった。上昇地点は20年に続き1地点で、横ばいは1地点増えて11地点、下落は1地点減って2地点となった。中部横断道の開通について鶴田氏は「事前に物流拠点や工場用地を確保する動きなどプラスの影響があった。ただし、需要の高い大規模な用地が県内に少なく、業種による需要の違いもあり、上昇に転じるまでには至らなかった」と分析した。
工業地で唯一上昇した富士吉田市向原の地点は1.2%上昇した。4月に須走道路・御殿場バイパスが開通し、静岡との行き来で利便性が向上したことが影響したという。
中部横断道の今後の開通効果について鶴田氏は「工業地では新たな工業用地を分譲する動きもあり、需要が顕在化する可能性もある。中京圏と行き来しやすくなることで、コロナの感染状況次第だが、商業地の需要が高まる可能性もある」とした。

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